ゴブリン討伐

11/09

由緒ある名門騎士一族であるラインハルト家、その長女として生まれてきた私に自由なんてものはなかった。

騎士の一族で女の私は忌み嫌われていた。そのため、父親に振り向いて欲しい一心で、16歳になる今の今まで男として育てられることを望んだ。

誰よりも強く、男になんて絶対負けないと心に誓い、どんな激しい訓練にも必死に耐えてきた。

父親に認めてもらうため、6歳の頃に初めてスライムを倒してからというもの、7歳にしてゴブリン、11歳にしてオーク、14歳の頃にはトロールを倒せるようになった。
因みに、14歳でトロールを倒したというのは、この王国の最年少記録でもある。

今年、16歳にしてゴブリンの巣窟に潜り込み、一掃することを命じられた。7歳の頃でさえゴブリン3匹程度なら一撃で薙ぎ倒すことができた私だ。あんな下等種族が束になって掛かってきたとしても、私の足元にも及ばないだろう。

また、この仕事が私の最後の任務になる。なぜなら、騎士学校に入学してすぐ仲良くなった男友達(好敵手)から正式に告白されたのだ。
純心を捧げるに相応しい相手を見つけたため、最後の仕事が終わったらラインハルト家という名前に縛られず、普通の女として生きるつもりだ。

さぁ、ゴブリン退治は明日である。今日のところはこれにて筆を置こう。